イベルメクチン12mg4錠(コビメクチン)

日本で販売のストロメクトール錠と同じ成分の薬です。本来は糞線虫症や疥癬を治療する薬ですが、新型コロナウイルス感染症に対しての効果も報告されており、現在研究が進められています。

イベルメクチン12mg4錠(コビメクチン)

イベルメクチン12mg4錠とは

イベルメクチンは寄生虫を殺すための駆虫薬です。

服用することで糞線虫やヒゼンダニなどの寄生虫にのみ作用を発揮し、寄生虫を麻痺させて死に至らせることで腸管糞線虫や疥癬などを治療できます。

糞線虫は、熱帯や亜熱帯地方に分布する寄生虫の一種です。国内では沖縄や奄美諸島に見られます。糞線虫は皮膚を通して人の体内に入り、小腸に寄生します。その数が多くなると、腹痛や便秘など胃腸症状を引き起こします。

疥癬は、疥癬虫、別名ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生して起こる皮膚感染症です。体のあちこちに小さな赤いボツボツができ、とくに夜間に強いかゆみを生じるのが特徴的です。

イベルメクチンはこれらの糞線虫や疥癬中に対して特攻的に作用します。とくに疥癬に対しては塗り薬を使わずに、1回ないし2回の内服で疥癬虫の駆除が可能です。

イベルメクチンは日本ではストロメクトール錠3mgという商品名で承認・販売されている駆虫薬と同じ有効成分を配合している同種同効薬として製造されています。

日本で販売されているものよりも有効成分イベルメクチンを多く配合しており、1錠中に12mg配合しています。

有効成分イベルメクチンは体重1kgあたり換算で服用する量を決めるので、本剤は1錠中にイベルメクチンを12mg配合しているので飲む錠数を日本のストロメクトール錠3mg少なくて済みます。

また、有効成分のイベルメクチンは日本では寄生虫を駆除するためにしか承認されていませんが、最近では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として利用できないかと世界中で研究が進められている成分でもあります。

イベルメクチンは寄生虫を殺す駆虫作用以外にも、抗菌作用や抗ウイルス作用、抗がん作用などがあるのではないかと報告されています。そのなかでも抗ウイルス作用が新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV2に対しても作用し、治療効果が得られたという報告も上がっています。その結果、日本でも北里大学や慶応義塾大学の研究チームが新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として承認を得るべく活動しています。

イベルメクチン12mg4錠の使用方法

日本で承認されているイベルメクチンの用法は以下の通りです。

  • 腸管糞線虫症:通常、成人は1回当たり主成分として約200μg/kgを2週間間隔で2回水で服用します。
  • 疥癬:通常、成人は1回当たり主成分として約200μg/kgを水で服用します。

また、最近では新型コロナウイルス感染症の治療や予防のためにもイベルメクチンは利用されていますが、現在日本では治療薬として承認されておらず服用方法は定まっていません。例として、海外などの研究機関で投与されている用法・用量を紹介します。

インドでコロナ感染症の治療ガイドラインを決めている全インド医科大学の研究グループは体重1kgあたりイベルメクチンとして0.3mgを3日間隔で2回投与したところ、新型コロナウイルス感染が83%減少したと報告されています。

また、南米、アジアなどでイベルメクチンがコロナに効いているという結果をアメリカの臨床医師たちのグループ(FLCCC)が発表し、推奨しているプロトコルによると、基礎疾患などがある高リスクの方のための予防には1回につき体重1kgあたり0.2mgを食前または食後に1回服用し、48時間後にもう一度同じ用量を服用し、以降は週1回服用します。

感染後の治療には1日1回、1回につき体重1kgあたり0.2~0.4mgを食前または食後に5日間服用、あるいは回復するまで継続して服用します。

上限の用量0.4mgで服用できるのは、「デルタ株」のような侵略性の高い変種が存在する地域の患者や、症状が発現してから5日目以降の患者、呼吸不全の治療を開始した患者、多数の合併症やリスク因子がある場合です。

新型コロナ感染症に関する服用へのご注意

本剤の有効成分イベルメクチンは、アメリカの医師団体による臨床試験で、新型コロナに対し著しい有効性(予防・初期治療・後期治療)が認められたと報告されています。FLCCCの報告にて、イベルメクチンは新型コロナウイルスの治療時に、感染後一週間以内の服用で76%、中等症以降の後期治療には46%の有効性が確認されたと明かされています。

しかし現段階でWHO(世界保健機関)は、新型コロナ感染症治療に対するイベルメクチンの投薬を承認していません。WHOはイベルメクチンは新型コロナウイルス感染症の有効性を示すエビデンスはなく、効果がないと発表しています。そのため、効果に対する期待につきましては、お客様個人の判断にお任せしております。